9月4日(水)に大分県立農業大学校にて「経営者感覚育成講座」が開かれました!
経営者感覚育成講座とは、現役の農業経営者による講義を通じて、農大生に卒業後の進路選択や将来設計の具体化を促すために実施している行事です。
大分県農業法人協会も農大との連携協定に基づき、会員から講師を派遣し、授業を行っています。
今回の講師は、本協会の準会員でもあるGenie’s Farmの衞藤 将明さんです。衛藤さんは、由布市でアスパラガスの生産をしています。
地元が由布院でご両親が兼業農家という衞藤さんは高校卒業後一般企業に4年勤めましたが、自身を見つめ直すきっかけがあり、その後就農。確固たる思いがある就農ではなかったという言葉が印象的でした。
野菜セットの宅配サービスをはじめましたが思うようにいかず、栽培技術や経営について一から学び直そうと経営塾に入塾。就農して6年目だったが、まっさらな状態で農業経営を学び直したそう。自分のプライドに固執せず、常に学びの姿勢を持つ衛藤さんらしさが感じられるお話でした。
農業をはじめて12年。アスパラをはじめて4年。
2アールからスタートし、多くの経験を重ね今では24アール、5トンの収穫。販路の6割は農業を通じて出会った縁で、旅館や個人への販売を行っているとの事。
あのクルーズトレイン「ななつ星」にもレストランの食材として提供しています!
衞藤さんの大事にしていることは「継続、コツコツやること。困った時や大きな壁にぶち当たった時に人は成長すると思う。周りと比べず、今の自分から少しでも成長できるように、という気持ちを持つようにしている」とお話してくれました。
8月下旬の台風10号で70センチの浸水があったものの、これまでの台風の被害を糧に備えることができ、無事収穫できたそう。以前の豪雨被害の経験を昇華させ、学びにすることで今回の被害を抑えることができたとのことでした。
学生からもたくさんの質問が出ました!
中でも印象に残ったのは、“農業で働く”といったイメージがもてないという学生に対し、衞藤さんは、「自分も当初農業で稼げるビジョンがなかった。それでも目の前にある仕事にひとつひとつ真剣に取り組んでいると、違う視点からの仕事の依頼や農業を通じてつながった縁がきっかけで新しいことに挑戦できた。イメージがわかないから怖い、ではなくて興味があるのであれば小さな挑戦でもそれを積みあげていくと、自分が考えてもいなかった未来があったりするので、そうやって楽しみながらどんどんトライしてみてほしい」と、学生たちにとって大変意義のあるお話をしてくださいました。
以前農大の学生を短期研修で受け入れたことがきっかけで、今年度からは指導農業士としての活動も開始。研修の受け入れや講演会など、大分県農業のさらなる発展に向けて尽力されており、衞藤さんの今後の活動にも注目です!
農大生にとって、先輩農業者のリアルな声が就農への一歩になればいいなと思います!
衞藤さん、お忙しい中、貴重なお話をきかせていただきありがとうございました!