9月4日に引き続き、9月11日(水)大分県立農業大学校・視聴覚教室にて
『経営者感覚育成講座』第5回が開かれました。
講師は、美水(めいすい)みつばの水耕栽培を行っている『有限会社育葉産業』の
取締役・栗田貴宏氏。
代表取締役である栗田洋蔵氏の長男で、次男の和成氏と共に経営の一端を担っています。
この日は「未来の後継者?たちへ」というテーマで講座は進められました。
★君たちはどう生きるか
★未来年表
★ゾン100…
等々、10代の農大生の興味を惹くコンテンツで最初の掴みはOKです!
そして、なぜ一見農業とは関係無い話をするかと言うと、農業以外のことにも目を向けて欲しいという
思いが有るからだそう。
貴宏氏は、大学時代にたくさんの出会いや経験を通して、自分の価値観が拡がるのを
感じたとのこと。
同時期に、事業の継承について父親から相談を受けたものの、卒業後は大手電機メーカーへ就職。
数年間勤務の後、両親の年齢や相続、会社の転換期が重なったことにより、
2022年に家業に就くこととなりました。
子供の頃から、実家の農場を見てはいたが、専門的な単語や単位すら知らないことが多かったそうです。
そんな貴宏氏が、機械トラブル発生時に「じゃあ修理しておいて」と任せられた時はどう対処したか…?
◎三現主義…「現場」で「現物」を観察し、「現実」を認識した上で問題解決を進める考え方
◎4M変更…「Man:人」「Machine:機械」「Method:手順・方法」「Material:材料・管理方法」
これらの要素に変化が生じた際に、その変化点を事前に把握し品質トラブルを未然に防ぐための方法
≪最初はチンプンカンプン???でも、とりあえず見てみるか…あれ、意外と起こっている現象は単純だな~≫
農業に関しては初心者であっても、前職で大切にしていた上記◎2つの心得が、大きく活きたと感じたそうです。
「自分自身も、自分が知らない分野で活躍した人と一緒に仕事がしたい、農業×農業ではイノベーションは起きない、
農業と違う業種が合わさることで新しいものをもたらしてくれる、と考えています。」との言葉は
前職での経験が有ってこそだと思いました。
異業種を経験してからの農業界への転職は、県のサポートなども手厚く、就農への道筋はつけやすいそうです。
就農後は、農業の先生である「うちの父ちゃん」の誘いで、『大分県農業経営塾』に参加しました。
帰郷するまでは、中学高校の友人との付き合いが主であったのが、年代や地域を問わずに広い繋がりが出来、
情報収集にも役立ちました。
ここで教わったサービス、『おてつたび』を大分県で初めて活用し、プレスリリースを出しメディアへ出演しました。
「まだ自分の功績らしい功績が無い中で、学んだことが活きた事例の一つだと感じました。」と語っていました。
また、30年以上経過し老朽化した施設の補修作業、作業の統一化・効率化などの改善にも意欲的に取り組んでいます。
育葉産業のこれまでの功績は、父親である洋蔵氏の尽力によるところが大きかったかもしれません。
今後は、貴宏氏の異業種での経験から磨かれた適応力や問題解決能力が、更なる発展に貢献することになるでしょう。
まとめとして…
このように今までとは異なる視点を持つことで、より豊かなアイデアや切り口がもたらされることが有ります。
農業外・異業種で経験を積むと言っても、熱中出来ることや興味が沸く分野でないと頑張りにくいです。
大切なのは、今のうちに好きなこと・得意なことに絞ってチャレンジしてみること!
そして、農業外から戻って来た時はうちの育葉産業も視野に入れてね、将来待ってます。(←ここ重要)とのことでした。
ラフな語り口で、ときには生徒に投げかけやりとりしながら、行っており、生徒からすれば身近な先輩の話を
聞いているような感覚だったと思います。
次の機会が有りましたら、新しいコンテンツと共にその後の成果などお聞かせいただけたら…と願っております。
栗田貴宏様、お忙しい中快く講師をお引き受けくださりありがとうございました。